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zoom RSS 106 林業からの出発 〜 里山資本主義へ(9)

<<   作成日時 : 2014/10/06 18:20   >>

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里山資本主義は、過疎化し、空き家や耕作地の放棄がふえ、人手や産業を失いつつある地域の創生を、人々を呼び寄せ、荒廃する山林や地域の環境を再生し、産業や再生エネルギーを興して、地域の活性化をはかり、地産池消をしながら、お互いにそうした地域の試みがネットワークを結んで、結果的に原発に頼らなくても、日本全体の経済を振興させようという活動である。

幸い今年の夏も、原発が稼動していなくても、どうにか乗り切れたが、現状では、政府が原発の再稼動に向けて動き出し、電力会社5社が送電網の危険を理由に、再生エネルギーの新規契約を相次いで中断することを決め(朝日新聞、10.1)、次々と壁や逆風は絶えないし、今後ますます続くと思われるが、しかし、一方、確実に、再生エネルギーの実用化やバックアップ体制もできてきており、地域の活性化という背景を得て、明るい前途も見え始めてきている。

私は、素人ながら、自己流で勉強しつつ、ここまできたが、このテーマは「ビオトープ」という、トンボの来る池を、いまや地球的な観点に象徴してくくっている、すべてのことがらに同化していくものだから、いまのサブタイトルとして(10回)でいったん締めくくろうと思う。
(下2点、イメージです。フェイスブックの「神去村通信」、後述の映画参照、ロケ地、三重県美杉町)

やはり、キーワードになるのは、日本の自然環境づくりを中心としたさまざまな活動とともにあることなので、山林や林業や木材を軸に見ていくほうが、まとまりがいいし、わかりやすいと思い、今回はそれをテーマにした。
画像そして、今回と次回で、個人や地域や団体や企業が、参加し、活動する支援を行なうネットワークや機関があることにも触れていきたいと思う。

画像まずは身近にできることで、住まいや環境や地域に、自然の素材である、山林を育てる過程で出る、いままで不要なものと軽んじられていた木材を取り入れている事例を見る。

最近、地元の木材を利用した学校の校舎や役所の庁舎の建設が増えてきている。

最近のスクラップから拾ってみた。


画像豊川市教育委員会では、東部小学校の南校舎の改築にあたって、建物は鉄筋コンクリートだが、広い床面積すべてに、スギ板をふんだんに使用した。

LED照明や複層ガラスも取り入れて、断熱、防音、エコ効果もはかっている。(朝日新聞、2014.8.31右写真も)


画像いい写真がネットにあったので、拾っておいた。



長野県の塩尻市木曽楢川小学校が、平成3年にすべて木造の校舎を新築した。
地元のヒノキをふんだんに使って、木の香の漂う教室になった。

木には、音を吸収し、温度を調節し、子どもたちに安らぎや健康をもたらす効果がある。(画像とも、ネット、NHK「美の壷」、File133「木造校舎」から)

やはり日本人には、見た目や癒しにも、木の感触は好ましく思われる。

画像面積の9割を山林が占める岩手県の住田町で、林業の振興をはかる拠点として、まず、町産のカラマツやスギをふんだんに使った役場の木造庁舎が完成した。(中日新聞、2014.9.15、写真も)

屋根はレンズの形をした「トラス梁」、壁面は角材を格子状に組み込んだ「ラチス壁」、それらは強度を高めた工法で、江戸時代からの伝統を引き継ぐ「気仙大工」が受け持った。

画像庁舎内部も大半が美しい木製で、これが役所?と、思わず寛がせる。(写真、住田町HP)

林業が盛んな町で、木材加工場から出るおが屑からできるペレットを燃やし、冷水や温水を発生して空調を行なう。
ここでも、中山間地は人口減少や産業停滞に悩んではいるが、林業活性化をめざして、役場や学校、高齢者福祉施設、商業施設などに木造を取り入れている。

新庁舎には、見学者も多く、町は11月に「全国木のまちサミット」の舞台になる。

地球温暖化防止につなげようと、公共建築物等木材利用促進法が2010年に施工されたことを機に、公共建築物への木材の利用が広がっている。

画像北海道下川町の山間に一の橋地区という、林業が盛んな頃は2千人以上がいて、いまは140人しかいない、典型的な限界集落がある。(写真、以下2点、外観と内部、下川町HP)

かつて「姥捨て山」と地元の人でさえ自嘲したこの町がいま、バイオビレッジ構想で蘇ろうとしている。

まず、散らばった住まいを平屋の木造住宅に集約して、いま26世帯40人が暮らし、バイオマス燃料で沸かしたお湯を暖房や給湯に自給している。

集落内に創られたシイタケ栽培施設や薬用植物の施設にも、熱は供給されて、あらたな雇用も生み出され、いま住民の1/3が働く。

画像住民どうしのコミュニケーションも活発になった。

総務省の地域おこし協力隊制度で、ハーブ栽培を事業化し、若者たちも都会からやってきた。(朝日新聞、2014.9.24、右上写真とも)

核になるのは、林業を活かした、住空間への木材の活用と、木屑の再生エネルギーの有効利用と、そして地域社会づくりである。

下川町は3月、森林で有名な高知県梼原町と熊本県小国町と、課題や取り組みを共有する「持続可能な小規模自治体アライアンス(同盟)」を結んだ。
梼原町については、このブログの102章、里山資本主義へ(5)でとり上げた。

こうした過疎化する林業の町で必要となる林業従事者の新たな雇用は、いまはIターン、Uターンの若ものたちや、林業に新しい生きがいを見出す人たちに求めるしかない。

林業従事者は全国に5万人(2010年国勢調査)で、ピーク時(1980年同)の1/3に減り、2割が65歳以上だ。
林業衰退を食い止めようと、農林水産省も2003年から担い手育成の「緑の雇用」事業を始めた。

岐阜県の郡上市にも新たな求人を必要とされる事業の促進が生まれた。

画像広島県呉市の製材最王手「中国木材」が進出し、来年から新工場が稼動する。

柱や梁になるスギやヒノキの最も良質な原木「A材」を、生じた端材やおが粉をボイラーで燃やし、蒸気で乾燥して、製品として付加価値をつけた加工を行なって販売する。(ネット、中国木材HP、製品を使用した施工例)

伐採から加工までの一貫工程を担うことで、いままで原木のまま運んでいた運賃や、不安定で下がる一方の相場などのリスクをカバーできる。

画像こうした背景で、郡上市も「山で生きる」若手を期待されているが、明るい兆しも見え始めた。
林業従事者の35歳未満の雇用が、他の産業並に近づきつつあるという。

まだオーストリア並ではないにしても、確かに若者たちの林業に対するイメージは変わりつつある。

郡上市の「大原(おっぱら)林産」の小森社長もそうで、31歳のとき郡上市にIターンして、国有林や私有林の整備をする一方で、割り箸や木の玩具の生産も始め、「郡上おどり」の専用踊り下駄のショップも開設するなど、いままでになかった発想をしている。(写真、大原林産HP)

将来は、都市部の人たちの体験ツァーや山間地でのリクリエーションも企画したいという。(以上、郡上市の項、中日新聞、2014.9.28)

画像たしかに、いま「グッジョブ」にあやかって、「ウッジョブ」として、若い人たちの、まず意識面に新しい林業や林業女子としてのイメージがなじみになってきている。

私は見ていないが、「神去なあなあ日常」というWOOD JOBがテーマの映画が人気になった。(写真、右2点、同映画のフェイスブック)

画像三浦しをんの小説を、草食系で知られる矢口史靖が監督し、軟弱な若者・染谷将太が林業に放り込まれるストーリーで、原作にない野性味もあるらしい。

ロケ地として受け入れた三重県の山間地の美杉町では、林業をPRする絶好の機会と、首都圏の山手線でも広告するなどのキャンペーンを行なった。
それなりに若い人にも知られる場所になったらしい。

画像私はこのようなことでも、林業を知るいい仕掛けだと思う。

林業女子という言葉を定着させたのは、「林業女子会@東京」だろう。(写真3点、林業女子@東京、フェイスブック)

関東に住む会社員や銀行員の女性が40人ほどで始めた、山林の多い地域で、間伐や草刈などを、気分転換のつもりで体験するグループで、@岐阜や、兵庫、栃木など全国的に広がって、フェイスブックやブログなどでも知られる。

画像作業服やヘルメットなども装備して、チェーンソーで間伐を行なうなど、本格的な作業として行なうものだが、生計を営む職業としてではなく、切った木の年輪を見て「かわいい、ケーキみたい」とか、集まってお話したり、カフェしたり、あくまで楽しみ。

しかし、私はこれでいいと思う。

画像楽しむ感覚と、働くことの新しい概念と、本格的に体験してみる挑戦や、ファションや機械のある仕事などの認識から、むしろ、パソコンがずらりと並んだオフィスに縛られて毎日が同じようなサラリーマンよりは、やりがいがあると思う人が必ず幾人か出てくる。

物流の運輸や病院やビルの清掃の仕事の概念でも、いまは大きく変わってきているし、女性の人生観や生き方も、自分自身を育む仕事を求め始めている。

なによりも、汗を流して、人と協力して、そして町や森林の再生に結びつく生きがいを感じられることが決め手になるだろう。

林業での新規従業者における女性はまだ3%だが、若い女性はむしろ男性より行動的、すぐ化ける可能性に期待したい。(女性に関する項、朝日新聞、2014.2.27参照)



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